アフリカ、北部カメルーン「ジングリヤ」の草で編んだ工芸品

この写真に写っている物体、何だかわかりますか?
これ、実は草で編んだ『椅子』なんです。しかも座る人の体重がうまい具合に分散されるので、すわり心地も抜群!
同じような草で編んだバスケットや皿はアフリカのあちこちで見かけますが、それを更に発展?させて椅子まで作ってしまう人々が暮らしているので、北部カメルーンのジングリヤ。
イスラム教徒から逃れて山中に移住した、伝統的アニミズムを信仰する、マタカム、マフェ、カプシキなどの人々が暮らす地域です。コザ峠という峠を越え、彼らの暮らす地域に足を運ぶのですが、このジングリヤはコザ峠への道中にあります。
コミニティーセンター的な施設に併設される形で、村の共同経営のお土産物屋があるのですが、このお土産屋で販売されているモノは、通常のお土産物屋では見かけない、ローカルな魅力あふれる品々ばかり。
この椅子をはじめ、不思議な人型の壺や、素朴な陶器の調味料入れなど、色々なものが売られています。料金設定も非常に良心的。時期によっては、このお店の裏手のコミニティーセンターで、地酒(ビール)を飲むことができます。

カメルーン北部へ足を運ばれる方は、是非このジングリヤのお土産物屋を覗いてみて下さい!
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アフリカ中央部カメルーン、山奥の村の宮殿に住む王様

アフリカ大陸のほぼ真ん中に位置する国『カメルーン』。真っ先に思い浮かべるのはサッカーですが、南北に細長い三角形の国土は、標高の高い高原地域や熱帯雨林に、サバンナが広がるエリアもあれば火山地域まであり、アフリカの中でもこの国ほど地形と気候帯で多様性を持つ国は少ないでしょう。この国はアフリカの縮図とまで言われています。
それだけに旅をするには打ってつけの見どころが多い国ですが、今回ご紹介するのは北部カメルーンにあるウジラという村。4WDでしか登って行くのが難しいような悪路の峠道に囲まれた険しい山の中にある村です。この村にはポドコと呼ばれる人々が住んでいて、キリスト教やイスラム教を受け入れることなく、古来より自分達に伝わるアニミズム-自然崇拝を信仰している人々です。山の上には宮殿があり、御年99歳を迎える村の王様が今なお健在です。この王様、お年を召されているのに、ひときわ身体も大きく、全身に纏っている雰囲気には得も言われぬ迫力がありますが、驚かされるのは何と奥様の数が50人以上(!)
奥さんも子供も孫もひ孫もすべて一緒に宮殿内で生活していて、宮殿といっても昔ながらの土壁のシンプルな住居なのですが、家族が増える度にどんどん増殖を続け、もはやとんでもない事になっています。写真は3年前ほどにお会いした時の様子ですが、後ろは皆さんご家族。わりと気さくな王様で、一介の旅行者でも謁見を許される事が多いのですが、見渡す限りのご家族に囲まれての謁見は、何とも不思議な緊張感があります。握手して頂いた手も岩のように固く、あの様子ではまだまだパワフルに長生きされそうです。アフリカを旅していると、たまに想像を絶する人物に出会う事がありますが、この王様も然り。「人間力」なんて言葉を簡単に使ってはいけないと思い知らされてしまいます…。

私にとって、アフリカらしい人、風景、モノ by 東京本社 佐藤

アフリカを旅する醍醐味のひとつに、いかに悪路を乗り越えながら旅を続けるか、が私にとってひとつの楽しみ。
今では各地でずいぶん舗装工事が進み、昔に比べれば旅することが随分楽になったはず。それでもアフリカにはまだまだ激しい道がある。

ひとりアフリカ大陸をバイクで走っていた時のこと。ナイジェリアからカメルーンへ入国すると、暇そうな国境係員は呆れるほどのんびり入国手続きを終えた後、ニヤリとしながら言った。「この先はマディだ(泥の道)」と。そんなはずはない。
手元のミシュランの地図では、この先の道は赤い実線=舗装路となっている。私は係員の脅しか何かと考え数キロ進むと、その先に広がる熱帯林には、言葉を失うほど、ぬかるんだ赤土の道が続いていた。
重いバイクは泥に埋まり、まったく動かない。その度に、通りかかるカメルーン人の手を借り、倒れたバイクを引き起こしたり、泥の中からバイクを引っ張りだしたり。あまりの暑さに熱中症で倒れて、途中、村人にも厄介になった。
たった数キロ進むのに、丸一日を費やした。
その先ガボン、コンゴ、アンゴラと、悪路には随分苦しめられたけど、インフラの整ったナミビアに辿り着いた時の感激といったら。あの時は、もうこんな道こりごりだ、と思っていただけれど、またいつかもう一度、あの道を走ってみたいと思う自分がいる。