ケニア・サファリ・ハイライト 10日間 その1

動物王国ケニアの、その名の通りおいしい所だけを巡る「ケニア・サファリ・ハイライト 10日間」。アンボセリ国立公園、ナクル湖国立公園、マサイマラ国立保護区という非常にコントラストのある3つの公園で動物の姿を追いつつ、公園間は陸路移動をしながら多民族国家ケニアのバラエティーに富んだ生活風景を縦断します。
今回はゴールデンウィークの催行となり、ケニアは雨季。日本の梅雨のイメージが頭から離れない参加者はやはり天気について不安気味。「大丈夫です」と言いつつも、昨年末の例外的に派手だった雨季の記憶が頭にある添乗員も実は少々不安。ナイロビのどよーんとした空を抜け出して一路アンボセリへ。
我々を迎えてくれたのは怪物のような積乱雲が無数に行進する真っ青な空でした。所々遠方で、怪物雲から雨の柱が立っているのに、他方では乾燥した土埃を巻き上げた竜巻が立っている。このダイナミックな空こそアフリカの第一印象にもっていこいだ。
01
アンボセリと言えばキリマンジャロとゾウの群れ。意中の一枚をカメラに収めてニヤニヤしているのも束の間、ライオンにハイエナ、キリンにカバにバッファロー、その他諸々が出るわ出るわ。アンボセリ二日目はバードウォッチングに徹することができたほど、一日目に大型動物の多くに出会うことができました。
添乗員的にはやはりハイエナの巣穴を拝めたことが何よりの収穫。だらだらと休む親とその周りを駆けまわる子の風景は日曜日の私の家庭とまったく同じ。カンムリヅルの求愛のダンスにも惚れ惚れさせられました。
02
ケニアではマサイとの交流が旅の大きな魅力。なんとなく行くと異質な生活にただ驚いて終わるマサイ村訪問も、マサイへの絡み方次第では面白さが倍増します。
今回面白かったのは、参加者の女性陣をマサイの男性に値踏みしてもらうという試み。値踏みといっても単位はドルでもシリングでもなく牛です。一夫多妻制のマサイが新しい奥さんを貰うには相当数の牛をお嫁さんの家族に納める必要があり、この観点で日本の女性を見たときにどう計られてしまうのかという興味でした。
結果、牛二頭の女性が一人、ヤギ二頭が一人、鶏二頭という結果も、、。まあ冗談半分な回答になりました。
03
その2へつづく
有冨

ふれあいウォーキング!カーボ・ヴェルデの休日11日間 その1

アイスランドでの火山爆発で、ぎりぎりまで心配だったロンドンへの便。ようやく2日前に予定通りの運航が始まり、参加者の皆さんとも「よかったねー」とひと安心で出発したはずだったのですが・・・何事もスムーズにはいかないものです。ロンドンからリスボンへ向かう便が大幅に遅れ、リスボンで搭乗口にたどりついたときには搭乗口は完全にクローズ。ポルトガル航空のスタッフに「お疲れさま。明日は1日リスボン観光を楽しんでね!」の言葉とともに、全員で予定していなかったリスボンに滞在することとなりました。
ちょっぴり暗い気持ちでリスボン市内のホテルへ送り届けられた私達でしたが、せっかくだからと手配した翌日のリスボン観光で、意外にもリスボンの街の魅力を発見することができました。ポルトガル航海時代を記念する大きな石像を見たり、ガイドから歴史の話を聞くと、カーボ・ヴェルデだけでなくたくさんの島々や大陸を’発見’し、植民地としたポルトガルの当時のことが想像されます。
01
予定していた便より1日遅れてリスボンを出発。カーボ・ヴェルデで今回訪問する3つの島のうち、1つ目の島であるサル島へ到着しました。カーボ・ヴェルデという国は、比較的大きな10の島と多くの小島からなり、それぞれの島で景観も違います。サル島は、本当に平らな島で、一見荒涼としていますが、美しい海岸線沿いにはリゾートホテルが並び、最近ではリゾート開発も進んでいるそうです。
島の見所は、’ブルーアイ’と呼ばれる、いわゆる青の洞窟。そして島の名前’SAL’の由来にもなっている塩、つまり塩田。現在は、現地で消費されるだけの塩ですが、昔はこの塩を求めてアラブの商人もわざわざ島にやって来たと言われてます。
02
そしてサル到着の翌日には、国内線で2つ目の島、サンヴィセンテ島へ。行きのサンヴィセンテ島は1泊だけの経由地です。トレッキングをおこなうサント・アンタン島には、現在、空港がないため、サンヴィセンテ島からはフェリーで島に入ることになるのです。
サントアンタン島はフェリーで約1時間。生活の交通手段にもなるため、フェリーは現地の人たちもたくさん乗り込みます。乗船中は、マンウォッチングの格好の場。クレオールと呼ばれる混血の人が多いカーボヴェルデの人は、肌の色も、顔つきも体系も、それぞれなので、その人の出身など想像しながら見ているとなかなか楽しめます。
03
そしていよいよ3つ目の島、サント・アンタン島へ上陸。
その2へつづく
紙田

インドへトラに会いに行こう 8日間 前編

もうかれこれ数年続いている「インドへトラに会いに行こう 8日間」。”インドまで行ってトラを見る”がテーマ、一点集中のツアーです。インドまで行って「タージ・マハール」も、ジャイプールの「風の宮殿」にも目をくれない。個人的に非常に好きなタイプのツアーです。
今年も例年通り、3月、4月、5月にそれぞれひとつずつ出発日を設定しましたが、今年はちょっと苦戦して、5月のツアーのみが催行決定となりました。インドがそろそろ本格的に暑くなり始め、日中40℃を超えるような暑さとカレーをはじめとする(というよりカレーしかない・・・)スパイス攻撃で、わかってはいたことですが、ある意味非常にタフなツアーとなりました。乗った瞬間からインド、機内食もカレーのエア・インディアでデリーへ向かい、デリー到着後はデリーのホテルで1泊、翌日トラの生息するバンダウガルに向かいます。
01
例年通りですと、デリーからトラの生息するバンダウガル国立公園までの往復はインドの誇る「インド鉄道」その名も「ゴンドワナ・エクスプレス」寝台車での移動でしたが、移動を少々楽にするため、往路のみデリーから中部のジャバルプールまで国内線を利用しました。
飛行機もなかなか渋いATR72というプロペラ機で、今回はいらっしゃいませんでしたが、(私を含め)飛行機好きにはたまらない路線でした。何と、通路左手窓からはあの「タージ・マハール」が眼下に見えたそうです。
02
ジェット機よりはもちろん遅いですが、列車の数分の1の時間でジャバルプールに到着&昼食後はエアコンの入った車で一路、バンダウガルへ。道路も舗装が新しくなり、快適そのものです。
ドライブに3時間かけてバンダウガルのタイガーズ・デン・リゾートに夕方到着。ここでも夕食にカレーを食べて、明日からのサファリ三昧に備えます。宿泊先のタイガーズ・デンは、インドの田舎のホテルとしては非常に高い水準で、クーラーこそ空冷式(日本のようにガスを使ったエアコンではない)でちょっとうるさいですがエアコンの苦手な方でもOKの、まろやかな涼しさで快適(でも若干暑い)に寝ることもできます。
03
移動の疲れを取った後、翌日は早朝5時30分からいよいよサファリに出発。もちろん何はさておき目当てはトラ、あくまでもベンガルタイガーです。が、アフリカほどではないにせよ、インドの国立公園も意外な多様性を見せてくれます。
まず、風景からして森、疎林帯、岩山、湿地帯からなりアフリカとはだいぶ雰囲気が違います。生息する哺乳類としては、トラを頂点に、ドール(インド版ハンティングドッグ)、ヒョウ、ナマケグマ、ジャッカル、サンバー(ミズシカ)、アクシスジカ、イノシシ、ハヌマン・ラングール&アカゲザルの霊長類などが生息し、猛禽をはじめ野鳥の種類も豊富です。
ですが、トラを見るまでは皆さんが探しているのは、やはりトラ。ドライバーも同様で、トラを見るまで他の動物の前ではなかなか停まってくれません。1回目のサファリを始めてすぐ、ブッシュの中に寝転ぶトラを発見!ですが、完全にお休み中らしく、背中以外は全く見せてもらえませんでした。とりあえず、トラがいるということは確認したので、猛禽類、シカ、クジャクなどを見ながら初日のサファリは終了。
04
後編へつづく
羽鳥

キリマンジャロ登山とサファリ14日間 その3

下山後に待っているのは熱いシャワーとビールとサファリ、そしてロッジのプールと午後の昼寝。心に勲章を掲げて長大な尾根を一泊二日で駆け下ります。頼りになるガイド達、ユニークなポーター達とのお別れ。キリマンジャロの歌を合唱してくれました。こちらはお返しに「証城寺の狸」を合唱。気の良い山男達と記念撮影。
10
登山の後はケニアのアンボセリ国立公園でポレポレなサファリ。雨季の後で緑が多く草食動物達がのんびりしていて、水没した場所は水鳥の楽園のようでした。押し寄せるゾウの大群には内心ドキドキ。
11
ロッジから見えるキリマンジャロを眺めつつ、登山中の四苦八苦を振り返ります。長いようで短い6泊7日の山旅。2泊3日のサファリ。今回の参加者は全員、登頂証明をカバンに大事にしまっての帰国です。日本の山屋・旅屋がタフだということを知らしめる旅になりました。皆さんの今後の山登りが安全かつ刺激的であることを祈っています。ありがとうございました。
※一部、写真を小森 允様、中島 幸雄様より提供していただきました。ありがとうございました。
有冨

キリマンジャロ登山とサファリ14日間 その2

料理は登山の重要なポイントなのですが、腕利きコックは煮物も焼き物もお手の物。日頃山の中でレトルトカレーを常用している日本の山屋さん達は上機嫌。参加者全員でコックに感謝の拍手をしてくれました。
キャンプ地のトイレは新しいもの、古いものとありますが、新しいほうは造りが立派です。古いほうは扉の蝶番が取れていたり屋根が飛んでいったりしていることがあるのであまり落ち着きません。
05
シラーキャンプの朝、空気は冷え込んで寒く、サミットには雪煙が舞っていました。登山3日目は4,500m付近まで高度を上げて、そこから3,950mのバランコキャンプまで谷沿いを下ります。谷沿いではガスに覆われ、なんだか過酷な雰囲気。所々ガレ場なので歩きも真剣です。雲の通り道である谷沿いにはジャイアントセネシオやジャイアントロベリアが群生していて、ガスの中で遭遇するその奇怪な姿はお化けの様。バランコキャンプもガスで真っ白。テントは一体どこ!?
06
約束事のように明け方はガスが晴れて、眼前には巨大なサミットが現れました。今やまさにキリマンジャロの懐の中にいる感があります。4日目はこのルート一番の急登であるバランコウォールを越えて、カランガキャンプまで3時間半の歩き。急峻な場所をものともせずに荷物を担ぎあげるポーターのラフな姿を見ていると、ゴアテックスやらUVカットやらの機能で身を包んだ自分たちの格好が逆に不自然に思えてきます。
カランガハットも夕時にはガスに包まれて寒い寒い。そんな時の鶏肉たっぷりのシチューが美味いのなんの。
07
登山5日目。一日中快晴で太陽が燦々。日焼けクリームを塗らないでいるとあっという間に肌が焦げそうです。標高の最も高いバラフキャンプまで3時間半の歩き。空気が薄くなり高山病の心配はあるけれど、氷河が形作った宇宙的な景観、大地を滑って行く雲を眺めていると気が晴れ晴れとしてきます。ようこそ4,000mの世界へ。
08
バラフキャンプについたらこれまでと雰囲気が違います。深夜0時にはいよいよアタックです。本当にやれるのか、自分の身体との対話が始まります。夕食をとって仮眠した後、装備を入念にチェック。新月の暗闇の中、空気はいよいよ冷え込んで、集合した参加者の表情は緊張気味。さあ勝負勝負!
事前に「証城寺の狸」でも歌いながらのんびり登ろうかという打ち合わせがあったものの、薄い空気と寒さが気分的にそれを許さず。他チームを抜いたり抜かされたりしながら少しずつ高度を上げていきます。眼が合うと二コリとしてくれる参加者の表情が固め。新月の夜は本当に寒く、カッパやザックの表面は霜で真っ白になるほどだった。
明け方にやっとのことで登頂。思わずハグ。嬉しくない訳がない。
09
その3へつづく
有冨