ケニア五大国立公園周遊

2006年7月31日出発、毎年恒例のケニア五大国立公園(アンボセリ、ツァボ、サンブル、ナクル、マサイ・マラ)を周遊するツアーにご参加された石塚ご夫妻から頂いたレポートです。2名様分合せてお読みください。
はじめに
夫婦で参加した。妻は初めてのアフリカ。私は32年ぶりの2回目の訪問である。一行は添乗員、ドライバー除き9人。2台のマイクロバスでサファリ、公園間の移動を延べ1000キロは軽く超える走行距離となった。公園内は当然として、移動の多くもオフロード中心である。半月にわたる多様なワイルドライフは、楽しさ満点の半面、ボディブローを受け続けるボクサーのように苦戦を強いられた。実は私も旅行中は快調だったが、調子を取り戻すのに帰国後数日を要した。一行はベテランぞろいで、初参加は妻と若い女性の2人。この構成はサファリの中身の濃さの上で、夫婦にとってはラッキーだった。
ああ、キリマンジャロよ
ナイロビで1泊後、サファリの皮切りはアンボセリ。アフリカの象徴・キリマンジャロ山をバックにしたサバンナの風景を思う存分脳裏に焼きつけた。例年になく今年は、頂の万年雪が少ない、と聞いた。辛うじて白いものを確認できた。カバと遭遇できたときは、意外性に驚いたのだが、サバンナを見下ろす高台のビューポイントで豊かな水場に群れたペリカンを見て合点が行った。象のファミリーが間近でバリッ、バリッと大きな音を立てながらむしった草を頬張る。写真を撮りながら音響効果を楽しませてもらった。サファリカーが10台以上集まっている。雄ライオンが1頭、ベビー2頭を従えた雌と離れて目撃された。別々にカメラを向けていたが、やがて立ち上がり、雌に近づき、挨拶のスキンシップ。家族だったのだ。
いよいよ国立公園へ。ナイロビから途中までは普通の道で快適なドライブでしたが、その後は舗装されていない土の道。覚悟はしていましたがとにかく砂埃がすごい!髪は砂まみれでキシキシになってしまいました。まあ最初は驚きましたが、これにもすぐに慣れてしまいました。アンボセリでは初めてのサファリということもあり、感動の連続でした。テレビや動物園でしか見たことのない動物たちが目の前に現れたときの感動は何とも言い表せないものです。アンボセリは平原で草丈も短く、初心者にはうってつけ。動物がすぐに見つけられます!それが何という動物かは教えてもらわないと分からないんですが・・・。でもここでいろ~んな動物の名前を覚えましたよ。
2日目の朝にはキリマンジャロの姿をみることもできました。雲もかからず、こんなに綺麗に見えるのは珍しいよ!といわれ、気分も上々♪
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「赤象」のツァボ西公園
アンボセリからは銃所持の護衛付コンボイを組んでの移動。20台ぐらいの車列で丘陵地帯を行く。ドライバーに聞くと、事件だけでなく、いろいろリスクはある。(コンボイは)こうするのが一番いいからさ、という。早い組は7時スタート。私たちは9時の遅い組。雨季には通行は無理か、という山深い悪路。途中で緊急停車、2台がパンクでタイヤ交換した。仲間の協力作業だ。ツァボは東西合わせると、四国ぐらいの広さという。同地は赤土なので土に染まった象が「赤象」というわけか。午後10時ごろ、ライトで赤く染まった18頭の象がロッジまえの水場に現れたそうだ。かつてターザン映画で聞いた、ほえ声が闇にとどろき、象の来訪を知った。実はこの日妻がサファリ中に嘔吐、ベッドに伏していたので、2階の部屋のテラスから見物した。頭数は翌日、仲間から聞く。
ここでは赤い象を見るのが一番の目的でした。が、中々その姿を見せてくれず・・・ 夜ロッジの水飲み場には20頭位で子連れの群れでやってきてくれたんだけど、何分夜なので色が分からず・・・最後の最後にツァボを去るとき、ついにその姿を見ることができました!確かに赤かったです!!
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ここのサファリは草深い中を行くことが多い。おまけに広い。ライオン5頭のファミリーも水たまりから直線で約200メートルのブッシュにいた。いわれて気づくのがやっと。よくぞたどり着く、とつくづく感心する。サファリカーから確認できるのはキリン、シマウマ、インパラぐらい。目ざとい仲間が大型のレイヨウ、クードゥーを見つけたが、がけを駆け上がり消えた。女性たちに人気があったのが超小型レイヨウのディクディク。いつも番いでいるためか、よく目にし、笑いを誘った。ナイロビへ移動の日、やっと「赤象」の群れと遭遇、背中の赤みを確認した。直後にレッサークードゥーも。
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赤道を越えてサンブル
今回のツアーで個人的に一番良かったのがココ!赤道を越えて北半球にやってきました。途中イシオロからの道はとても悪く、ちょっとアクセスはよくないんですが来て良かった!先に南半球で勉強してから、ここにやってくると、南との違いがはっきり分かって面白かったです。(当たり前なんですが)図鑑に書いてあるとおり、シマウマもキリンもダチョウも南とは種類が違うんです。そして立ってエサを食べるゲレヌクもかわいい!でも何といってもここで良かったのは、食事中のチーターの親子とヒョウを間近で見られたこと!たくさんの車に囲まれて動物たちにはちょっと申し訳なかったけれども、間近で見せてくれたドライバーさんに感謝感謝です。
再びナイロビで1泊後、北部へ。午前7時出発。かなりのロングドライブとなった。車窓風景は農村地の実りが随所で見られた。雨にも遭ったせいか、緑の風景は日本を思い起こさせる。最後はオフロードを2時間。6月オープンしたばかりのロッジで遅い昼食。小休止後、午後のサファリ。夜行性のアフリカノウサギ、オリックス、ゲレヌグと遭遇。
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翌早朝のサファリでは、一人がめったに見られない小型レイヨウのクリップスプリンガーを見つけた。この人の使う高性能望遠レンズを信頼して半信半疑でシャッターを切ったが、帰国後パソコンで拡大し、存在を納得できた。今回ツアー初見のチーターは母子4頭の朝食風景。人間離れした眼力のドライバー氏はインパラ、と即答した。4頭は軽いフットワークでサファリカーの届かぬ地へ移った。見事な身のこなしに大満足。ほかに網目キリン、ウォーターバック、ハーティービースト、ワニ。午後は川沿いの探索。マントヒヒの群れに見とれたあと、ヒョウの追跡劇に。
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ヒョウはブッシュに隠れたが、突如「キャッ」と悲鳴。あのディクディクが目の前に飛び出した。「近いぞ」。的確に追尾するドライバー氏。ほぼ1時間、ヒョウの多様なパフォーマンスを間近でたっぷり見物できた。
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ナクル湖へ
翌朝は一路ナクルへ。迂回路を取るので、往路含め計4回赤道を通過する。到着すると当地は1泊なので早めにサファリ。名物の木登りライオンにはネコ科なんだ、と改めて思い起こさせられた。枝の間から垂れた太い前足に、妻は未だに思い出して喜んでいる。
ここではピンクのフラミンゴさえ見れたらそれでいいと思ってたんですが、あまり見られないと聞いてたクロサイも親子連れでちょこっと見れたし、木登りライオンを4頭も見ることができました。木登りライオンは見ててすっごくおかしかった。「なんでそんな所に入ったの~出られないじゃん!これじゃ百獣の王も形無しだね」っとみんなで笑いながら観察してました。
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シロサイ、クロサイ、エランド、ハイエナとサファリカーの行く手に次々現れては消え去っていく。フラミンゴの数はかなり回復、万単位のオーダーという。しかしそのボリューム感を写真に切り取るのは素人には難しすぎる。翌日の帰路の坂道で振り返って気づいたが、フラミンゴのベストショットのポイントはそこかもしれない。
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マサイマラの夕日
ツアーの最後は、ほかで見落としてもここなら間違いなく見られる、というマサイマラで、3泊である。しかしベテランの一人は「もう全部撮っちゃった」とまで言った。
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ここでの眼目はタンザニア側からのヌーのマラ川渡りである。しかし、こればかりはヌー次第。とにかく現地へ行くしかない。初日のサファリで見落としのセグロジャッカルに遭遇した。私は見られなかったが、別の組は後日、キンイロジャッカルも見たそうだ。弁当持参で「終日サファリ」へ行く。最終目的地はマラ川だ。早速、雌雄のヒョウと遭遇。信憑性は定かでないが、ベビーがいるとの話もドライバー間で交わされたらしい。結局、別行動をとる親2頭の陽動作戦に、われわれサファリカー側がしてやられたようだ。写真は撮れたが、深追いは断念する。続いてキリンの大集団を目撃。最大24頭もいた。1時間半ほど辛抱の後、タンザニア国境沿いのマラ川に着く。カバ、ワニがたっぷりいる。既にサファリカーが何台もきていた。監視員が川辺に近づく観光客に注意喚起をする。ヌーは集中しておらず、ケニア側への川渡りがないこともはっきりした。せめて渡りの現場を見たい。テレビ放映で「渡り」見物の人気が増しているそうだ。
残念ながらヌーの川渡りは見ることができませんでした。まあここまであまりにもつきすぎてたみたいなので仕方がないか・・・川の側に集まってもなかったのでかえってあきらめもつきました。また次の機会があれば是非!!ここでは、気球に乗ってバルーンサファリを堪能しました。気球の上から見るサバンナの景色や朝日、動物たちの姿は地面の上から見るのとは一味違い、とてもいい経験になりました。サバンナの上で食べる朝食とシャンパンも最高でした。
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現場は川幅50メートル見当か。十数メートルの川べりの岸壁には、無数の堀削られた跡が残っている。両岸近くにはヌーの遺体1頭ずつが浮いていた。そして、最終日。ロッジ近くで夕焼けの時刻になった。黒雲が上空を覆い、雨が降っていることが分かる。サバンナのどこかで降っているのだろう。改めてカメラを構え、赤く燃える太陽を切り取った。
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追記1
サバンナでは、車から勝手に降りられない。だから、無性に土や草を踏みつけたい。今回もマラ川で降りられたのは、駐車場とトイレがあった地区だけ。また3人の仲間と熱気球に乗ったので、軽食をとる際、木陰周辺の草が切り払われた箇所に立つことができた。ほかにはマサイの部落訪問のときだけ。マサイマラで持参した弁当も車内で食べた。後はロッジ周辺である。私はツァボとサンブルのロッジでジョギングをした。ツァボは中庭の芝と付属のサッカーグラウンドで走った。既に触れたように赤土。部屋に戻ると、白い靴下が赤く染まっていた。シューズもまだ名残の赤みが着いている。このときロッジの受付には「ノープロブレム」と言われていたが、サンブルでは「コムパウンド内ならOK」と言われた。刺のある植木が走りにくいので外側を回ると、目撃した女性職員に遠くから手で注意された。ツアー中に、路上で鎌首を上げたコブラや、蛇行できずにうろうろしているのも見た。サンブルのジョギングでは、新しい糞が幾つか見つかったので引き返してもいる。ロッジ周辺でも細心の注意は必要だ。
道路はやはり日本のようには行きません。ガタガタ道も結構たくさんありますが、行く前に想像していたよりすぐに順応でき、そんなに苦痛ではなかったです。乗っているときより、車から降りたときにフワフワした感覚が少し続きましたが。帰る頃にはガタガタがないと物足りないような感覚にさえなってました。砂埃は正直ちょっとしんどかったですね。汚れるのはまあいいんですが、口の中に入ってくるとむせてしまいます。バンダナとかを強盗のように巻いていましたが・・・みなさんカメラにはホテルに付いてるシャワーキャップをかぶせて砂埃からガードしてました。
追記2
ツァボで妻が原因不明の嘔吐に苦しんだ。昼食で同じようなものを食べたので、食あたりではないだろう。アンボセリからの移動が厳しい道のりだったので、原因のひとつに考えられる。湯しか受けつけず、4食飲めず食えずで、翌朝ナイロビ移動が迫っていた。添乗員の手配でロッジの医師が診断してくれた。熱もない、吐き気が障害。それを止める注射をうちたい、イエスかノーか。注射は腰部への筋肉注射である。30分後に食事を用意させるのでそれをとるよう指示すると、引き上げていった。プレートの上にスープ、パン、果物が載っていた。「こんなに」と思うほど、分量はたっぷり。それぞれ少し口にした。吐き気はなし。これで翌日、軽い朝食をして出発。その後は何も起きず、無事帰国した。仲間が負担の少ない運転席の後ろを専用席にしてくれたが、ミラクルが起きたのか?
出発前は2週間は結構長いと思っていましたが、楽しくてあっという間に過ぎてしまいました。ツアーのメンバーの方は私ともう一人を除いてみなさんアフリカ経験者ばかりで色々教えて頂き、とても助かりました。みなさんのおかげで、最初はゾウ、キリン、シマウマくらいしか知らなかった私が、あれは何と言えるようになりました。せっかく覚えた動物たちの名前を忘れる前に是非また出かけたいです。
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ハネムーン in the KENYA & YEMEN !!

2005年12月24日出発のハネムーン手配旅行で、ケニアとイエメンを周遊された群馬県在住のT様ご夫妻から頂いたレポートです。弊社のツアー「ケニア・サファリ・ハイライト 10日間」に幸福のアラビアと呼ばれるイエメン滞在を追加するお二人のオリジナルプランです。

日本からアフリカへ
飛行機が大好きだった私は、この旅行によって飛行機が少々苦手になったかも・・・。といのも移動時間が長すぎです!!アフリカまでの道のりは決して楽ではないのです!!冒頭からこんないいぐさですが、この旅行が楽しくなかったというわけではなく、本当に心から楽しめたしできたらまた行きたいと思っているほどです!!いざ、ナイロビに到着!!私の頭の中にはアフリカ大陸の地図が浮かび、そこに降り立ったんだと思ったら、なんだかとてもワクワクしてきて急に興奮してきました。あの辛かった道のりのことも、その辛さがこの感激を何倍にもしてくれたとすら思うのです!!
ケニアの道
一週間、私たちの運転手とガイドを務めていただいた方は本当に穏やかで、とても優秀な方でした。道中、初めて目にした動物はなんと道に横たわっているシマウマでした。運転手さんに尋ねると、「タブンクルマニヒカレタ・・・、カワイソ・・・。」なんてことでしょう。猫や犬みたいにシマウマが!?車に乗っている私たちは絶句・・・。
初めてみるアフリカの景色は言葉では言い表せないほどすばらしかったです!!何を見てもすごーいと言ってしまうほど。目に入ってくるものすべてが真新しい世界で、長い移動だったのにもかかわらず眠るということがもったいなくてできませんでした。国立公園に入る前に二匹のキリンが私たちを歓迎するかのようにお出迎えをしてくれました。初めてみる野生のキリンを目の前にしたら本当にアフリカにきたんだと実感してきました。
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アンボセリ・セレナ・ロッジ
旅行に行く前にネットで調べたら部屋が小さいと書かれてあり少し心配だったけれど、私たちが通された部屋は特に不便を感じるほどの小ささではなかったので安心しました。ただ、清掃中のためドアが開きっぱなしになっていた部屋を覗いたら、かなり狭くその部屋ではなくて良かったなと思ったのも事実です。部屋によって広さが異なるみたいなのでそのときの運でしょう。ちなみに部屋の壁には動物の絵が描かれていてとてもかわいらしい部屋でした。
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ここでハプニングが起こりました。風を通すためドアを少し開けておき昼寝をしていたら思わぬ訪問客が!ガサガサ音がしたため目を覚ました主人の視界に入ったものはなんと一匹の猿。人を怖がりもせずに堂々と机の上で物色中。追い払うため大声を発したら、飛行機でもらったナッツを持っていかれてしまいました・・・。しかも机の上にはピーナッツとマカダミアの二袋を置いていたのですが、私の好きなマカダミアを持っていかれかなりショック。どうせならピーナッツの方を持っていって欲しかったなぁ・・・。
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ここでは近くのマサイ族の村へ行けるオプショナル・ツアーに申し込みました。お金を払ってマサイ族と触れ合うというのは少々抵抗があったけれど、行ってみて良かったです!!あのマサイジャンプが生で見ることができたし、みんなすごく優しくていろいろな説明も聞くことができ本当に良い経験ができました。最後にお土産屋を見させられるのですが、思っていたよりしつこくなかったので帰りも気分良く帰れました。
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アンボセリ・サファリ
ワンボックスカーの天井が上に持ち上げられるサファリカーに乗り、移動の最中に顔を出すとアフリカの風が感じられとても気持ちよい!!ただ早朝のサファリはかなり冷えていたので、防寒対策をばっちりにしていました。初めてみるシマウマの群れに大興奮!!日本に戻り、写真を現像に出したらシマウマばかりの写真が大量に・・・。サファリツアー中半ともなれば、シマウマはいるのが普通になっているのですが・・・。
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キリマンジャロをバックに象を激写!!とガイドブックに書かれてあるのですがこれが、本当にでき感激!!初めて遭うライオン、ガゼル、ヌー、カバ、象・・・などたくさんの動物を見ることができて大満足でした。
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サロバ・ライオンヒル・ロッジ(ナクル湖)
「ソーダ湖の水を引いているため、身体を洗ってもぬるぬるしているけれどタオルで拭けば大丈夫だから」と現地の旅行会社の方から助言を頂いてありました。その言葉のとおりぬるぬるしていていつシャワーを終わりにすれば良いかわからないくらいだったけれど、身体を拭けば普通だったので私はそれほど気にはならなりませんでした。ただ、浴槽が滑りやすく、実際滑ってしまったほどなので気をつけたいところです!アフリカで初めて蚊を見たのはここでした。部屋ではなく受付脇のトイレで見ました。部屋は蚊帳付きベッドだから安心です。ただ、私たちのそれには穴があいていたけれど・・・。
ナクル湖・サファリ
ここではやはりフラミンゴでしょう!!遠くから見たナクル湖は端がピンクで覆われていました!!ナクル湖畔では車から降りることができ湖の近くまで行くことができました。湖畔はフラミンゴの羽などで汚かったけれど、広い湖にたぁーくさんのフラミンゴを見ることができ感激です。鳴き声も途絶えることなく聞こえます。フラミンゴと一緒にペリカンの群れとかばも見ることができました。
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アンボセリでは車の中でしか見られなかったのですが、車から降りて動物たちを見ることができたことはとても新鮮でした。やはり車の中と外では雰囲気も全然違います。すぐそばに行ってみたかったけれど、カバは凶暴なのでドライバーさんに止められ断念。
ナクル湖→マサイ・マラ
この旅一番の悪路だったでしょう。一応アスファルトが敷かれているのですが、アスファルトにしなくても良いのではと思うくらい穴だらけ。それをよける為に車が右往左往しています。穴だらけのアスファルトを見かねた運転手さんはアスファルトの端が砂の道になっているところをずーっと運転していました。時には反対側の端(対向車側)の道すら運転する時もありました。しかしこんな悪路でさえ運転手さんの親切さが垣間見ることができました。この長距離の中、穴の手前では必ず速度を落とし優しい運転を常にしてくれたし、穴を見落としてガッタンとなった時はバックミラー越しから「ダイジョウブダッタ??」と必ず声をかけてくれました。
途中、雨がふりだしたと思ったら道が川に変化していました。道全体が水に覆われてしまうわけではけれど、道の端を小さい滝のように水が流れているほどでした。
マサイ・マラ・サファリ
ここではやたらとライオンを見ることができました。私たちと同じようにハネムーン中のライオン、シマウマを狩りし終えたばかりで休憩中のライオン、子ライオンが無邪気にじゃれ合っている様子、イランドが食べられている様子などなど・・・。弱肉強食の世界を目の当たりにできるのです。ただ、狩られたばかりのシマウマが痙攣していた様を見たときはかなりショックを受けました。仕方ないとは分かっているけれど、生なましすぎでした。でも見られなかったよりはたくさんのライオンの日常を目にすることができたことは恵まれていたなと感じています。マサイ・マラは本当にライオンの王国でした。
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チーターも何回か見ることができ感激!!子供のチーター二匹に狩りの特訓を教えている母チーター。どこの世界にも愛があるのだなと感じた一場面でした。なんとなく感動してしまいました。そう!!あのひろーい大地では何をみても感動してしまうのです!!
ケニア・サファリのまとめ
ケニアの自動車はディーゼル車がほとんどです。しかも車中は暑くなるため窓を開けて走行するので車内に排気ガスのにおいが充満するときも多々ありました。またかなりの悪路なので、砂埃も想像以上!!移動の最中はマスクの上からバンダナで口を覆っていたけれどそれでもきつかったので、これから行かれる女性の方にはマスク+バンダナは必需品!!日よけにもなりますよ♪
また国立公園以外のアフリカを見ることができるのはこの時以外ありませんでした。窓からの眺めでしか見ることができなかったのですが、興味津々で見入ってしまい移動のときもかなり楽しめました。もちろん眠ってしまった時も多々あったのですが今考えたらもったいなかったなと感じてしまいます。
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担当の方がお勧めしてくれた動物図鑑を持って行ったのですが、実際に目にした動物をみては、その図鑑を手に取り習性などを調べるということを繰り返していました。帰ってきたときにはちょっとした動物学者になれていたかも・・・。でも本当にたくさんの種類の動物に遭遇することができて、ドライバーさんに心から感謝です!!しかも得体の知らない動物を見ては「あれは何ですか?」という私の問いかけにすぐに答えてくれたり、私たちにたくさんの動物を見せたいという姿勢が明らかに感じられました。
本当に生の動物たちをたくさん見ては、心が洗われるような気持ちでした。癒されるというのはまさにこのことだなぁと本当に感じました。普段の日常生活では些細なことでもストレスに感じられたことがアフリカではなんてちっぽけなのだろうと感じてしまうくらい。アフリカはこころが広くなれる場所でした。
「ケニア・サファリ・ハイライト 10日間」ツアーページはこちら。
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※アフリカでのハネムーンにご興味のある方は、ぜひアフリカでハネムーン&ウェディングのページもご覧ください。

ハネムーン in the Southern AFRICA !!

2006年1月14日出発のハネムーン手配旅行で、南部アフリカを周遊された東京都在住のOさんご夫妻からのレポートです。弊社ツアー「ボツワナ・サファリとヴィクトリア大瀑布 そして喜望峰 9日間」を基にお二人のご希望に添うようアレンジしました。

ヴィクトリア滝観光
私たちが泊まったイララロッジは滝やその他アクティビティの集合場所から、非常に近いこともあり、とてもよかったです。ルナ・ツアー(満月にかかる虹)にはあいにくの天気で参加できなかったのですが、歩いていくのとヘリコプターからみた滝は最高でした。歩いて見学しているときは、水しぶきがすごかったので、近づきすぎるとカメラが使えなかったです。カメラの防水器具をもって行けばと少し後悔。(滝見学を考えていらっしゃる方には、カメラの防水器具必携です。)
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サファリ
サファリは南アフリカのクルーガー国立公園に隣接する私営保護区で、保護区内でも最高級のシンギータを予約しました。(思い切って、最高級を頼みました!)文句なしの最高のロッジでした。いつも混んでいて、なかなか予約を取りにくいと聞いていましたので、予約をとっていただいて、本当にありがとうございました。この旅で一番の思い出となりました。対応していただいたスタッフ、レンジャー含めてすばらしい限りです。訪問者をいかに喜ばせようかといつも考えていることが伝わるホスピタリティでした。また、ワインテイスティングも含め、宿泊時の飲物が飲み放題なのも、なかなかできないリッチな経験でした。食事も満足です。
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サファリはもちろん、完璧です。BIG5はもちろん、なんとライオンのハントシーンが見れました。豪雨の中だったので、うまく写真には収められなかったのですが、(防水器具があれば・・・)本当にラッキーなことだと宿の人やレンジャーもいってました。3年前にケニア・タンザニアでサファリをしていた経験と比較しても、この私営保護区で動物(大物)を見るチャンスは高いと感じました。オープンカーであることや動物を発見したらそこまで道がなくても(木を倒しても!)近づいていくので、間近にゆっくりと動物を見ることができます。また、朝食の場所から象が見えたりと、とことんすばらしい宿泊でした。ぜひぜひ皆様にお勧めしたいです。
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ケープタウンについて
ウォーターフロント地区のコモドール・ホテルに泊まりました。ハネムーンへの配慮か、ビジネスクラス(orスイート)のお部屋を用意してもらえました。窓からはテーブルマウンテンとウォーターフロントが眺望でき、夜景と朝日が特にきれいでした。また、場所的にもウォーターフロントから近いため、治安もよく、日が落ちても危ない感じはしませんでした。
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喜望峰周辺はヒルトン・ロス社の観光バスによる一日観光に参加したのですが、とても楽しかったです。他国の方とも混合のツアーだったので、会話も含め楽しめました(嫌う人は嫌うでしょうが)。ヒルトン・ロス社については初日の送迎(ケープタウン空港⇒ホテル)で遅刻し、連絡をとって迎えに来てもらうのに少々手がかかったのが、今回のツアーで唯一困ったことでしょうか。
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レンタカーでセルフ・ドライブ
レンタカーは日本のハーツで予約を入れました。ウォーターフロントには営業所がないとのことなので、ケープタウン市内へピックアップに行く形で手配をしました。市内のハーツ営業所まで行くにはタクシーで数分ほどの距離で、30ランド(約600円)ほどでした。デリバリー(ホテルまでレンタカーを届けるサービス)とコレクション(ホテルにレンタカーを返却できるサービス)を使うまでもないと感じました。使った場合にはかなり割高になると思います。また、市内の道もはじめは難しかったのですが、慣れてしまえば問題なくハマナスへ向かう国道へ抜けることができました。交通ルールも日本とほぼ同じで非常に運転しやすかったです。ただし、信号で止まると物売りが寄ってくる点が不安なところです。目を合わせないために、サングラスは必須です。R44号(海沿いの道)は走っていて非常に気持ちよかったです。ハマナスまでは約2時間でつきました。クジラの季節ではなかったので、非常に静かなリゾート街でした。クジラの季節(7月~11月)のお客様がいた場合は、ぜひお勧めです。とにかく大自然も都市も観光地もリゾートもすべて満喫できた幸せな旅行でした。
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「ボツワナ・サファリと大瀑布、そして喜望峰 9日間」ツアーページはこちら。
ボツワナのツアー・旅行一覧はこちら。
南アフリカのツアー・旅行一覧はこちら。
※アフリカでのハネムーンにご興味のある方は、ぜひアフリカでハネムーン&ウェディングのページもご覧ください。

2005年2月 究極のタンザニア・サファリ

2005年2月に催行した「究極のタンザニア・サファリ 13日間」にご参加頂いた 井口 恵美子 様 からのレポートです。後半にはお客様ご自身が感じた「サファリに持っていったら便利グッズ」が記してあります。是非、ご参考にして下さい。
タンザニアへ
アルーシャで一泊した後、ンゴロンゴロ自然保護区に向けて出発。意外に道は舗装されていて、とっても快適でした。途中、遥か遠くにキリマンジャロを眺めながら、約3時間程でンゴロンゴロの入り口に到着。
ここは、大噴火口と周辺のサバンナ・森からなる自然保護区で、巨大なクレーターはなんと深さ600mもあるとか。標高は約2800メートルと高く、日中の気温は35度以上、朝晩は10度ぐらいになるそう。温度差が激しいので、フリースなどがあると安心です。
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午後にいよいよ一回目のサファリに出発。ホテルからクレーターの底まで一気に下ると、そこはまさしく「野生の王国」!!!
車は4WDのロングボディで、屋根が持ち上がるようになっていて、そこから顔を出して動物を観察したり写真を撮ったりできます(もちろん車の外に出るのは絶対禁止、ランチは車を降りて専用のサイトで食べますが遠くには行けません。ちなみにサイトには水洗トイレもあります)。
クレーターの底では、ライオン、シマウマ、チータ、ゾウ、カバ、クロサイ、ヒョウなどなど、キリン以外のほとんどの動物を見ることができます(ンゴロンゴロにキリンはいません)。
私はちょうど、チータの子供3頭と母親が狩をしているところに遭遇しました!狩を覚え始めた子供たちが、トムソンガゼルの子供を捕らえては放し捕らえては放し、それを母親が見守っているという野生動物の厳しい一面を見ることができました。
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この日の宿泊はンゴロンゴロ・ソパロッジ。このロッジはクレーターの縁に建っており、各部屋からはクレーターが一望でき、なかでも夕日が沈む姿は本当に感動ものです。タンザニアのロッジやキャンプはアフリカの自然に溶け込むような作りになっていて、インテリアや部屋の作りなどもとっても素敵でした。
今回のツアーのロッジ
今回の旅では、町のホテル以外に4ヶ所のロッジやテントに泊まりましたが、それぞれアフリカの雰囲気にピッタリでした。テントと言っても私が想像していた物とは全然違い、高床式で木のドアやベランダがついており、水洗トイレやシャワーもありました。ただ、電気やお湯はどこに行っても時間制限があって(大きな町は別)、電池の充電やシェイバー程度の物ぐらいしか使えません。お鍋など電気を消費する電気製品は難しいと思います。
びっくりしたのが、大抵のロッジにプールがあったこと。日中の暑いときに飛び込むと最高です。水着はぜひ持って行って下さい。私もプールサイドに双眼鏡や本などを持って行き、動物ウォッチングしながら水浴びを楽しみました。
セレンゲティ国立公園
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写真は、セレンゲティ国立公園のなかにあるミグレーションキャンプです。ここは私の一番のお気に入り。テントはそれぞれ間隔を置いて一棟ずつ建てられており、夜になると道沿いにランプが灯され、陽が落ちた後は懐中電灯とこん棒(!)を持ったスタッフの方が送り迎えしてくれます。
途中、藪の中を懐中電灯で照らしたりしつつ、ドキドキしながら自分のテントまで5~6分ほど歩きます。部屋には懐中電灯と笛が置いてあり、食事に行くなどテントから出たいときは、レセプションの方向に向けて3度ライトを点滅させるとスタッフが迎えに来てくれます。笛は緊急用。一度だけどこかのテントで笛が鳴っていましたがあれは何だったのでしょう?!
夜になると頭のすぐ近くでカバが(ブヒ?ブー?ブタとはちょっと違う)鳴いていました。なにしろ壁はテントなので臨場感溢れるアフリカの音!!夜中には遠くでライオンの鳴き声も聞こえていたとか・・・。
ここのテントはモーニングコールを頼んでおくと、ポットに入った熱いコーヒーか紅茶とクッキーを持って来てくれます(電話はなし)。日本茶党の私はホットウォーターをお願いし、毎朝熱ーい日本茶でお目覚め。食事はもちろん好みもありますが、まあまあです。バイキングもあればフルコースのときもありました。そして、どこのロッジでも冷たいビールは飲めましたよ!
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マサイの人々の村を訪問
そして、楽しみにしていたマサイの人々の村にも行くことができました。村も小さいものから大人数が暮らすものまでいろいろあるようです。村に着くと、歓迎のダンスや歌で迎えられ、家にも招き入れてくれました。やっぱり牛糞の家に住んでいました~!!でも、思ったほど匂いはなかったですよ。
マサイの人々は評判どおり男性も女性もおしゃれ好き。身にまとう布も色鮮やかで、褐色の肌に実に良くマッチしています。ビーズなどで作った腕輪、髪飾り、ネックレスなどの装飾品が素晴らしく、彼らにとてもよく似合っていました。私の首にも誰かがよだれかけの様なネックレスを掛けてくれたのですが、その似合わないこと!
彼らは普段、牛や山羊などの世話をして暮らしていますが、観光客相手の仕事も重要な収入源だそうです。私たちは3人で行ったので1人20ドルずつ払いました。現金はあまり必要ない生活のように思えますが、マサイの人々の中にも大学に行く人が出はじめ、その資金になっているようです。
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タンザニアの物価
タンザニアの物価はそれほど安くはなく、日本と変わらない物もあります、ミネラルウオーターは1ドルだったし、ビールも安くはなかったです。水は一度買ったきりで、あとはロッジの部屋にサービスで必ず置いてあるし、サファリに行くときにもサービスでくれるので大丈夫ですが。でも飲みすぎにはご用心を。広い草原で緊急事態になったら・・・!
持って行くと便利な物
さて、これからタンザニアに行かれる方のために、持って行くと良いものをちょっとご紹介します。
ビーチサンダル
サファリ中、車から写真を写すとき椅子に上がって構えるのですが(本当はダメみたいだけど黙認してくれました)、頻繁に上り下りするので靴だと面倒。車から降りて歩くことはないのでサンダルでも大丈夫だし、その他、室内履きやシャワー室でもそのまま使えるのでとても便利です。
シャワーキャップ
車の屋根を全開にして走るため、砂埃がどんどん入ってきます。写真を撮るとき以外はシャワーキャップでカメラ全体を覆っておきましょう。毎日交換しなくてはならないほど埃がひどい。特にデジカメは埃に弱く、途中で故障なんてことになったら悲しいですものね。
ハエタタキ
これはアフリカに15回も来ているというベテランさんのお勧め。タンザニア西部にはツェツェバエといって、針で刺されたような痛みとその後の痒みがひどいハエがいる(乾季には特に)のですが、このハエが少々叩いたぐらいでは死ななくて、ハエタタキが一番有効です。百円ショップで一本買って持って行かれると良いですよ。
車が走っているときはいいのですが、止まるとワッと入ってくるので、私たちは皆でバシバシと賑やかでした。ツェツェバエは刺されると眠り病にかかることがあると言われていますが、タンザニアのは大丈夫のようです。ちなみに私はアフリカに行く前に黄熱病の予防注射を受けましたが、いつでも接種できるわけではないようなので早めに受けるといいと思います。
小さい懐中電灯
サバンナのロッジは電気のつく時間が制限されます。ローソクは用意されていますが、1つ持っていくと便利です。
ツアーに参加して
アフリカのタンザニア、その中のセレンゲティとンゴロンゴロというほんのごく一部(といっても広大な地域ですが)でしたが、それでも十分にアフリカを感じることができました。野生動物の生き生きとした美しさ、目の輝き、肉食動物のシャープな筋肉質の体、子供達の可愛らしさ、広大なサバンナに落ちる夕日…アフリカに魅せられて何度も通う気持ちが分かるような気がします。
一緒に行った6人のうち3人はそれぞれ、6回、10回、15回とすっかりアフリカの虜になった方たちでした。私もまたいつか必ず行きたいと思っています。
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メルー国立公園

2004年9月27日出発のツアーにご参加された渡壁 大 様から頂いたレポートです。
ルート
NAIROBI~(国道A2号線)約1時間30分~ EMBU ~(国道B6号線)2時間~ MERU ~約2時間~ Meru N.P. ~約30分~ エルザ・コプジェ(Elsa's Copje)所要時間約6時間
NairobiからEmbuまでは快適な舗装道路をひた走る。途中水田地帯などを走り、ちょっと東南アジアっぽい風景が楽しめる。Embuからは山間部に入り、山の谷間を見下ろしながら豪快なルートを走る。相変わらず舗装が行き届いた快適なルートで、 バナナ畑や山間の小さな集落を見ながら走りぬける。
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Meruを出てからMauaへ向かうルートを取り、しばらくすると舗装が途切れる。 最初は比較的整備された砂利道だが、舗装が途切れてから15分も走ると左右に体が大きく揺すられるような極悪路に入る。この極悪路はかつてのNamanga~Amboseliの悪路(現在はきれいに整備されているが)よりひどく、 いつまで続くのかと途方に暮れるが、この極悪路は約20分程度で終わり、再び整備された砂利道に戻る。厳しい悪路はゲート手前のこの区間、約20分程度のみ。整備された砂利道に戻ってからは約10分でメルーのMureraゲートに着く。
休憩は往路はMeruのMeru safari Hotelで一度だけ取ったが、Nairobiから一気にMeruまで行くとちょっと厳しい。Meruまで約3時間半とはいえ、結構な距離があり、車もかなり飛ばしての時間。途中、Embu、Meru以外では他に休憩が取れる所もないので、Embuで一度休憩を取りたいところ。(帰路ではEmbuのIzaak Walton Innでも休憩を取ったところ、大変楽だった)
メルー国立公園
Nairobiの東北東約100キロ(走行距離は約350キロ)の地点にあり、面積は約870k㎡ある。(参考:アンボセリNP:392k㎡)
標高が低いためサンブルと同様、とても暑い。年間を通じて雨が多く、公園内には大小の川が流れており、草原の他に森林に囲まれた地帯もある。全体的な光景はサンブールによく似ているが、山や丘に囲まれるサンブールと違い、メルーは広大な大サバンナが広がり、 そこに沈む夕陽の美しさには思わず息をのむ。公園内のゲーム・サーキットは非常によく整備されいる一方で、ブッシュが高く、また動物も非常に警戒心が強いため、動物になかなか近づくことができない。
Nairobiから遠いためか訪れる人も少ない(サファリ中に他のサファリ・カーに出会うことがほとんどない)が、これが「本来の姿」と言えるのかもしれない。見られる動物はサンブールに似ており、種類も多い。グレーピー・シマウマ、レッサー・クドゥ、アミメ・キリンなどを見ることができる。
メルー国立公園はジョイ・アダムソンの著書「野生のエルザ」の舞台となったところでもある。ジョイ&ジョージ夫妻が活動したこの一帯は1968年にメルー国立公園としてオープンしたが、90年代後半まで密猟者が横行。動物が激減し、シロサイは全滅、ゾウも壊滅的となった。この密猟はつい最近まで続き、果てはキリンなど草食動物まで激減したが、KWSの取り締まり強化により密猟もなくなり、他の国立公園・保護区からも動物を移住させ、2000年以降は動物の数も徐々に回復している。
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サファリ
ブッシュが高く動物の警戒心が強いとはいえ、動物の種類は多く「探検的」サファリが楽しめる。メルー国立公園は飛行機で来る人が多く、基本的にサファリはロッジの車になる。広大なメルー国立公園内で、サファリで回るのはほんの一部だが、ウォーキング・サファリ、ナイトサファリなどのバラエティ溢れるオプションも用意されている。
Elsa’s Copjeのサファリカーは屋根はもちろんのこと、窓はおろかドアもないランドローバーのフルオープンで、座席に座るとすぐ横はもう地面、という状態。「ライオンが来たら闘ってください」とドライバーにジョークを言われるほどだ。それだけに臨場感もありとても楽しい。 密猟によって激減した動物も移住によって回復してきたとはいえ、基本的に最小限の移住で、後は自然繁殖に任せている状態なので、その数はまだまだ少ないようだ。だが、レッサー・クードゥやツチブタなど、普段はなかなか見られない動物に出会えたり、ブッシュからウォーターバックが飛び出してきたりと、エキサイティングなサファリである。動物がすぐに逃げてしまったり、動物との距離が少し遠いため、フォト・サファリは難しい。ここでは血眼になって動物を探すよりも、双眼鏡を片手にメルーの風を全身に受けながら、アフリカの大地を感じるサファリを楽しみたい。
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サンセット・バー&ブレックファースト・サファリ
夕方からのサファリでは、美しい日没の時間に合わせて夕陽が美しく見えるポイントにクルマを停め、ドライバーが「サンセット・バー」を設営してくれる。バーとはいえ、クルマのボンネットにマサイブランケットを広げ、その上に数種類のツマミと希望のドリンク(事前にロッジで希望を伝えておく)が用意される程度だが、美しい夕陽に今日の感動を感謝しつつ乾杯するのは至福の時間である。また、早朝のサファリでは「ブレックファースト・サファリ」ができる。朝食をお弁当にしてサファリに出かけるというものである。
途中、川沿いの美しい森に囲まれたポイントにクルマを停め、そこで朝食をいただく。朝の涼しい川沿いの空気を吸いながら、鳥のさえずりを耳にしながらいただく朝食。非常に贅沢で楽しい時間である。
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オプショナル・ツアー
ロッジにて申し込むと「ウォーキング・サファリ」と「ナイト・サファリ」を楽しむことができる。(ただしこれらはエキストラ料金が必要。それぞれ1人15ドルで、これはKWSに支払われるとのこと)今回はウォーキング・サファリとセットで申し込み、ウォーキング・サファリ終点でピックアップしてもらい、そのままナイト・サファリに出発した。
ウォーキング・サファリ
夕方16時にロッジの玄関に集合。まずはガイドをしてくれるロッジのマネージャーから注意事項の説明がある。「ライオンに出会った場合」「バッファローに出会った場合」などを大マジメな顔をして説明されるので、こちらも大マジメな顔をして拝聴する。ウォーキングサファリでライオンに出会えることなどあるのだろうか、会えたらラッキーだな、と思う反面、出会うことが無いとも限らないので、ちょっと緊張する。ガイドをしてくれるマネージャーはかなりの「役者」で、こうした盛り上げが非常に上手い。(ちょっとクサい演技もあるが)説明後は同行のレンジャーと共にサファリカーに乗り込み、スタート地点で降ろされて歩き始める。ライフル銃を肩に下げたガイド役のマネージャーを先頭に一列縦隊になって歩くのだが、これがなかなか楽しい。
結局ライオンはおろか、見ることができた動物はグレーピー・シマウマとガゼル程度。しかし動物たちと同じ地面に立ち、シマウマと視線が合うというだけで非常に楽しいし、そもそも自分の足でサバンナを歩いているだけでも満足感がある。
動物を間近には見られなかったものの、途中で「足跡当てクイズ」「アリ地獄掘り」などをしてくれたり、落ちている糞の説明をしてくれたりして、なかなか楽しめたウォーキング・サファリ。終盤は川沿いを歩き、最後はピックアップ地点でサファリカーに拾ってもらう。所要時間は1時間半程度。
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ナイト・サファリ
サンセット・バーの時間までは通常の夕方のサファリを楽しみ、日没後からが本格的なナイト・サファリとなる。ナイト・サファリといっても、ドライバーは運転をするだけ。サーチライトを照らし、動物を探すのはお客さんの役目。
今回は同行していただいた道祖神の三輪さんにサーチライト役という重責(?)を果たしていただいたが、このサーチライト役はかなりエキサイティングで夢中になってしまうらしい。後ろから夢中になっている三輪さんを眺めていると、それがまたナイト・サファリの光景の一部となって楽しい。
サーチライトに反射して光る目をまず探し、動物を同定するのだが、闇に光る目を探すのはワクワクする。一番多く見られたのがブッシュ・ベイビー。 1時間半近くのナイト・サファリ中に25匹のブッシュ・ベイビーを確認。その他、バッファロー、カバ、ヒョウ(?)を発見することができた。
暗闇の中、バッファローやカバを間近に見るのは、日中と違い、異様な雰囲気で少々怖い。(もちろん、ドライバーが安全を確保してくれているから安心なのだが) ロッジへの帰路出会ったヤマアラシが、針を立ててカサカサと音をたて、ヒョコヒョコと逃げて行く姿が愛くるしく、緊張が続いたナイトサファリの最後を和ませてくれた。
KWSとは・・・KENYA WILDLIFE SERVICE ケニア全土の国立公園を管轄している組織
ロッジ【エルザ・コプジェ】
小高い丘の上に、岩と地形を上手に利用して建てられた9棟の戸建てロッジと、センターハウスから成る小規模な高級ロッジ。それぞれが完全に独立している。サバンナに面した方角には壁がなく、目前に広がる大サバンナとの一体感が感じられる。
部屋は非常に広く開放感に溢れている。洗面所、シャワーブースも広々としており、設備も充実しているが、お湯は一日あたり180リットルまでという制限があるし、夜23時から翌朝6時までは停電となる。限られた水と電力ゆえのことだが、節約して使えばお湯を180リットル使い切ることはまずないし、夜の停電後に、壁の無いベットルームから月明かりにうっすらと浮かび上がるサバンナを眺めるのも、非常に美しく感動的で、そのまま夢路につくのも悪くない。
部屋のタイプは9部屋すべて内装が違う。4部屋のみバスタブがついている。一部屋はファミリースイートで最高5人が泊まれる部屋である。各部屋にある無線(トランシーバー)でレストランなど共有スペースから離れた部屋にいてもロッジスタッフと連絡が取れるようになっている。
食事は非常に美味しい。ディナーは日によって魚料理と肉料理が交互に出てくるようで、どちらも満足できる。ロッジによくあるブッフェスタイルではなく、各テーブル毎にサービスをしてくれるので、温かいものは温かく、冷たいものは冷たくいただける。ランチはブッフェスタイルだが、新鮮な野菜が多く用意されているのが嬉しい。食後は部屋でのんびり過ごすのも良いが、併設されているバーで洒脱な会話を楽しみたい。
夜はバーとなる場所では、日中もドリンクをサービスしており、ソファやデッキに座ってゆったりと午後のひと時を過ごすのは、とても豊かな時間である。
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なお、このロッジは小高い丘の自然の地形を上手に利用して作られており、ロッジからダイニングなどの移動はそこそこの距離がある。特に夜間は懐中電灯は必携(各部屋に備え付けてある)で、ヘビなどもいるため足元には注意したい。日中はハイラックスが部屋まで遊びに来ることもあるが、ヤモリ、トカゲも非常に多く、部屋の中まで訪問してくる。この手の生き物が嫌いな人には向かないかもしれない。小規模なロッジならではの行き届いたサービス。高級ロッジながら過剰なサービスもなく、宿泊客の心を豊かにしてくれる「心に贅沢な」ロッジである。
かつて「野生のエルザ」の原作者、ジョイ&ジョージ・アダムソン夫妻 がキャンプをしていた場所の近くにあるロッジだけに、内部にはエルザの絵や写真が多く飾られ、また、洒落た調度品も多く置いてあり、質素な雰囲気の中にほどよい上質感を感じることができた。言うまでもなくロッジ名”Elsa’s Copje”の”Elsa”は野生のエルザのことであり、”Copje”はこのロッジが建っているような「岩の丘」という意味である。
まとめ
マサイ・マラのようにあちこちに動物を見ることができるような場所ではない。そういう意味では「とにかく動物をたくさん見たい」という人には不向きだろう。だが、マラから移って来たというドライバーが「これが本来のサファリだ」と強調していたように、野趣溢れるサファリを楽しみながら、大アフリカをゆったりと満喫することができる。
野生動物の保護に尽力したアダムソン夫妻とエルザに想いを寄せながら、 悠々たる時間の中に自分の身をサバンナに同化させる・・・。それがメルー国立公園の楽しみ方のように思う。サバンナにいるだけで幸せ、と思える人に勧めたい、美しい国立公園である。
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